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 コーチング 
■馬車の意味をあらわすコーチ 
コーチ(coach)とは、両輪のついた馬車のことです。2つの車輪でその人の希望する目的地まで送り届けるという意味になったそうです。そこからコーチとクライアント(リトミックでは指導者と生徒)が同じ方向を向いて目的を達成するものです。
日本ではコーチというとスポーツの世界でよく聞かれますね。日本でコーチングが導入されだしたのは2000年前後のビジネスの世界でした。そこから徐々に広まり始め、現在では教育界や医療界、保健指導、子育てにもコーチングは生かされています。
コーチはやる気を起こさせるための起爆剤的な存在だけでなく、相手が確実に行動や実行に移すまで見守り、フォローを続けていく伴走者です。両輪のついた馬車とは、言い得ていますね。

■コーチングとは?
簡単に言うと
コーチングは自分が自ら行動を起こすためのコミュニケーションスキルです。
コーチングは人間関係を円滑にするためのコミュニケーションツールです。

コーチングは、これからなくてはならないものになっていくと思います。地域や家族間など生活に密着した場でみんながコーチングマインドになれば人間関係がスムーズでよりよい社会になるような気がします。
私がコーチングに出会って、まずどこに惹かれたかというと、『コーチングは自分が自ら行動を起こすためのコミュニケーションスキル』という部分です。私が考えるリトミックは『音楽を聴いて自分で判断し行動する』ことができるようになるということ。自分で考え判断し行動できるというのは、今教育界で叫ばれている『生きる力』にも通じますし、共通点が多いように思えたんですね〜。


■コーチングには三原則があります
私が学んでいるコーチ21(コーチトゥエンティーワン)では、3つの重要な原則があると言っています。それは…
1、インターラクティブ
2、オンゴーイング
3、テーラーメード

<インターラクティブとは>
一方通行でなく双方向という意味です。コミュニケーションは、お互いに話をしたり双方向だと思われがちですが、上司や部下、親子など上下関係があるとどうしても押しつけだったり一方的に指示だけを与えたりしがちです。双方向と言ってもお互いにただ話していればいいというものではありません。
相手が話したことをしっかりと聴き、それについて自分も話します。
お互いにキャッチボールをしているような感じですね。(相手が受け止めやすいボールを投げるってことです。これがドッヂボールや野球の変化球のようになってしまうと…ここでいう双方向にはなりませんよね…(^_^;))
それを繰り返してはじめて双方向にコミュニケーションができたと言えます。そして相手と同じ目線に立って行います。
コーチングでは、この双方向を一番大事な原則としていると同時に、リズムパークぽこあぽこでも、レッスン時に大きなウエイトを置いて意識をしています。

<オンゴーイングとは>
継続してコミュニケーションをとることです。
コーチングで大事なことは、相手がいかにやる気になってその行動を起こせるか、というところにかかっています。行動を起こしたり、今までと違うことをする場合、継続的に相手と関わることで、やる気を持続したり、行動を変えていくことができるのです。

<テーラーメードとは>
自分にピッタリ合った洋服やドレスを作ってもらう“オーダーメード”があるように、コーチングにもオーダーメードがあります。既製服が多い最近は、コミュニケーションも既製服化しているように思います。Aさんにこう言うと喜んだからと言って、Bさんも同じように喜ぶとは限りません。十人十色、その人にあったコミュニケーションをとります。それには様々な手法がありますが、ここでは割愛します。
リズムパークぽこあぽこのリトミックも、まさにこのテーラーメード。
どの年齢でも季節がら同じ素材を使ったりしますが、それぞれのクラスにおいてはやはりそのクラスに合った指導の仕方やアプローチの仕方などは変化させています。

この三原則を元に、コーチはコーチングを行います。
そしてコーチとしての三つの柱もあります。

■コーチの三つの柱
1、コーチは全面的に相手の味方である
2、解決や答えはコーチの中でなく相手の中にある
3、コーチは相手に行動を起こさせる

詳しいことは割愛させていただきますが、コーチはいつもこれを肝に銘じてコーチングを行います。
プロコーチは、会話の流れの中から相手をしっかり受け止め、さまざまな切り口から今まで相手になかった視点を与えたり気付かせます。その気付きから自分はどういう方向へ進んだらいいのか自ら考え判断し行動へ移させるのです。リトミックとの相似点はこのあたりにあります。
プロコーチは100種類以上のスキルを自在に使いこなし、相手のスタイルに合わせたコミュニケーションへ瞬時に変化させるそうです。相手がどうしたいのか、コーチはつかず離れずいつもそばに寄り添い、フォローやサポートを行います。孤独に頑張っているときには得られないフィードバックがあり、心地よいコミュニケーションと質の高いコーチングを行い目標達成まで関わり続けます。(なかなか行動に移さない時などはあえて突き放される(?)こともありますが…アメとムチ??ヾ(;´▽`A`` )
自分の目標や夢が、自分ひとりで頑張る時よりも数倍速く達成できるのも、コーチングによるコミュニケーションの力です。それと忘れてはならないのが、プロコーチの人間力による所も大きいかと思います。
私にも理想とするプロコーチが何人かいます。そのコーチたちに少しでも近付きたいと勉強を重ねています。

リズムパークぽこあぽこのリトミックでは、音楽的な知識や未知のものに対してはティーチングをしますが、子供たちからアイデアを引き出したり、どうしたいのか考えさせる時はコーチング的手法で行います。そんなコーチングとティーチングを織り交ぜたレッスンです。
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■コーチングでやる気UP!
リズムパークぽこあぽこでは、リトミックレッスンにコーチングの手法を使うことで、
お子さまのやる気をアップさせます。ここで一例をあげてみましょう。
Aちゃんは、1年生。とってもおしゃまな女の子です。Aちゃんはずっとある曲が弾きたいと思っていました。
その年の発表会では、その曲を弾きたいと先生にお願いしてみたのですがまだ難しいと却下。が諦めることができません。
その曲は16分音符が並んでいて速く弾かないといけない部分があります。それは右手にも左手にも出てきます。
それを聞いた私も、正直Aちゃんにはこの曲はまだ早いんじゃないかなと思いましたが、Aちゃんの強い意志を感じ、コーチング的にアプローチすることにしました。
まず大きな目標(○○の曲)を富士山に見立てました。
大目標をかかげたら、そこに向かっていくためにはどうすればいいのかをAちゃん自身に考えさせます。大目標にいくまでに途中にいくつかのマイルストーン(ここでは読譜、片手で弾く、両手で弾く、暗譜など)を置きます。それを山小屋に例えました。そして今は何をしたらいいか、そのためには今何が必要なのかを考えさせました。Aちゃんはまずあまりしなかったピアノの練習を毎日30分以上することと、どうしてもこの曲が弾いてみたい思いを、もう一度先生に伝えることを宣言し、行動へと移しました。リズムの弱いところはリトミックのレッスンでフォローすることになりました。
こちらが全部与えるのではなく、自分で考えて、こうしよう!と宣言したことは、お子さまでも結構できるものです。しかも積極的に!それを『いつまでに何をどのように』するのかコーチングの手法を使ってお子さまに考えさせ、頭の中を整理させます。

<目標設定やビジョンをかかげ自ら頑張る力を生み出します>
ビジネスシーン等でよくある『ビジョン』も考えました。目標はその到達地点。ビジョンではそれによりどうなっていたいのか、“こうありたい自分”を考えます。
先ほどのAちゃんの目標は『○○の曲を弾く』でした。そして『発表会の時、この曲をみんなの前で弾いて、お母さんやおばあちゃんに上手になった自分を見てもらう』ことをビジョンにしました。
その時の様子をAちゃんにイメージさせてみると、ステージの上でスポットライトを浴びて、ピアノを間違えずに弾いている自分とそれを聴いてお母さんたちがすごいねと喜んでいるのが浮かんだそうです。
ここまでイメージが固まるのには、1回では出来ませんでした。いとこの発表会を見に行った時に、自分もあの場所に立ちたい、あの曲を弾いてみたいと思ったことを思い出したり、根気強く何度もコーチングを重ねるうちに、ようやくここまで落とし込めたのでした。
その時のAちゃんはみんなに囲まれて笑ってると思う、と語ってくれました。これを現実にするため、本格的に目標に向かって進んでいきます。

<進捗状況の確認で、モチベーション維持ができるように>
長丁場ですので、モチベーション維持はとても重要ですが大人でもなかなか簡単ではありません。子どもなら尚更。くじけそうになっても、進み具合を確認し、軌道修正をしつつ充分にフォローをしていきます。
富士山の山登りに例えて今、どのあたり(何合目)まで登ってきたのか、すぐにわかるよう絵や図を利用して視覚にうったえました。目で見える形にすることによって、進み具合がわかりモチベーションの維持にもつながります。山小屋(マイルストーン)に到達するとちょっとしたご褒美(キラキラシール、可愛い消しゴムなど)もAちゃんの場合は効果がありました。
実際、Aちゃんは何度も途中で投げ出しそうになりました。もうピアノはやめる!という所まで煮詰まってしまった時期もありました。私自身も、どうやって関わろうか戸惑うことが何度もありましたが、熱くなって、つい手助けしてしまいたくなる心をぐっと抑え、なるべく冷静に『ピアノを弾くのはAちゃんなんだから』と一歩引いて見守るようにしました。
半年後、ピアノの発表会に出て、舞台の上に立ち曲を披露し、笑顔でみんなに迎えられたそうです。ご家族の愛情とフォロー、ピアノの先生の熱心なご指導、そしてコーチングによるサポートで、Aちゃんは富士山制覇(目標達成)をしたのでした。
余談になりますが、ピアノは他で習っていて、リトミックレッスンをうちへ受けに来ていた生徒さんでしたので、音楽的なフォローはリトミックのみ。あとは勉強し始めたばかりのつたないコーチングでのサポートでした。が、2歳半からずっとリトミックで関わってきたお子さんでしたので、私にとって非常に印象深いケースです。
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